シャーロット・アームストロング『さあこい、マクダフ』第19章註釈
【ベネディクト・アーノルド】
ベネディクト・アーノルドはアメリカ独立戦争時のアメリカ軍将軍。多大な戦功をあげたが、上層部の対立により昇進を逃す。判事の娘ペギー・シッペンと結婚し、分不相応な社会的地位を得た。その後、イギリス軍と莫大な額の取引を計画したが、露見して頓挫。裏切者の烙印を押される。妻のペギーも計画に加わっていたとされている。この事件がもとでアーノルドは逃亡、二人は離ればなれになったが、後に再会し、借金と世間の冷遇にもかかわらずペギーは夫に尽くし続けた。
【ペギー・イートン事件】
アンドリュー・ジャクソンは第七代アメリカ大統領。彼の側近ジョン・イートン少佐は、居酒屋の娘マーガレット・オニール・ティンバレークに夢中になる。だがペギーは海軍のジョン・ティンバレークと結婚していた。イートン少佐は職権を利用してティンバレークを海上に追いやる。ティンバレークは船上で死んだが、世間ではイートンとペギーのことを気に病んで自殺したという噂が流れた。ジャクソン政権は醜聞を避けるため、イートンとペギーを結婚させるが、政界の人間はことごとくペギーを無視した。そこからジャクソン大統領と閣僚の確執が始まる。というか確執の一つに利用された。結局ペギーは政界から身を引いた。
【シーク―灼熱の恋】
E. M. Hull『The Sheik』。遥かなる砂漠への憧れ…募る思いをかなえるべく、英国貴族の娘ダイアナ・メイヨは、アフリカ大陸へと旅立った。だが、その地に足を踏み入れたとたん、キャラバン隊はアラブ人の一団に取り囲まれ、彼女の前に1人の男が立ちはだかる。アラブ人の族長、アーメッド・ベン・ハッサン―気性の激しい砂漠の男が、ダイアナの運命をその手に握ろうとしていた。1923年、ルドルフ・ヴァレンチノ主演で映画化され、全世界の女性を虜にした、愛と情熱の物語。(amazonデータより)