【マザーグース】
Three little ghostesses,(三匹のチビ幽霊々が、)
Sitting on postesses,(柱々に腰掛ながら、)
Eating buttered toastesses,(バタつきパンパンを食べながら、)
Greasing their fistesses,(お手々をバターで汚しながら、)
Up to their wristesses,(手首々までべとべとです、)
Oh, what beastesses(なんて悪ガキガキだろう)
To make such feastesses!(こんな浮かれ浮かれ騒ぐとは!)
【座敷童】
brownie(ブラウニー)
イギリスの妖精。その名の通り全身が褐色をしており、夜中に人家に忍び込んで手助けをしてくれる。
【森の妖精】
fairy(フェアリー)
妖精全般を指すもっとも一般的な呼び名ですが、日本語では「elf」も「sprite」も「fairy」も「pixy」もすべて「妖精」になってしまうので、便宜上それぞれ「精霊」「小人」「森の妖精」「妖精」と訳しわけました。
※本来なら、日本語に訳さずに「エルフ」「スプライト」「フェアリー」「ピクシー」とカナ表記するべき(あるいはルビを振るべき)だと思いますが、“あくまで音節数優先”という、当初決めた翻訳方針に従っていろいろ小細工しています。
以下、pixy妖精《ピクシー》/fay(s)仙女《フェイズ》/banshee泣き女/fetch夜叉/kelpie水虎/poltergeist騒がし霊/ghoul悪鬼/Troll(s)トロル/goblin悪魔/double離魂霊病/leprechaun靴小人《レプラコン》。
訳語とカナ表記が同じ音数の場合は、カナでルビを振ってあります。
「poltergeist(ポルターガイスト)」は説明不要でしょう。「double」とはドッペルゲンガーのこと。「fetch」はそのアイルランド版。「kelpie」は馬形をしたスコットランドの水妖です。「leprechaun」は「靴小人」の訳語どおり、地下で靴を作っているアイルランドの妖精です。
【挿絵註】
この挿絵は、単行本では本来、巻頭(扉)に掲載されています。
【手ごわきり】
単語の途中でまっぷたつに改行されているのは、「ないかぎり」と脚韻を踏むためです。
"I've tried it, and can only say
I'm sure you couldn't do it, e-
ven if you practised night and day,
Unless you have a turn that way,
And natural ingenuity.
※『スナーク狩り』も参照。第三章第三聯では、行間韻を踏むためだけに、「Hi」と呼ばれているはずのベイカーが「Ho」と呼ばれています。
【ローマの街で】
『ハムレット』第一幕第一場より
※幽霊が出るという噂について、ホレーショーの台詞。
これっぞ心の眼を痛むる微塵。むかしローマ全盛のころ、大シーザー落命の少しき前かた、墳墓
坪内逍遙訳(以前『物語倶楽部』に掲載されていたものをお借りしています)。
※ここで「墓衣」とあるのを、拙訳中では「帷子」と訳してあります。