【唯一の〜】
ここ、原文では
「the only public tribute to his career as an amateur photographer and
electrician.」
直訳すると「アマチュアの写真家および電気技師としての経歴にのみ社会的に賛辞される」
とかなるわけですが、たかだか小中学生がアマチュアとして世に知られているとは思えませんし、ここはすぐ後ろの叔父の経歴――無名な世界で有名――と対になってるような感じで訳しました。
[訳註]
なんだかまったくわかっていませんでしたね。半年ぶりに読み返してみれば、ここは「a young duke」から続いている文章なのですな。「若き大公殿」が「officially」にはサマーズ・マイナーとして知られ、「public」には写真家で電気技師だ、と。以前の訳ではチェスタトンのユーモアをユーモアと理解できずに大まじめに受け取っていました。。。_| ̄|○
【聖パウロ】
註の必要ないだろうけど、十二使徒のひとりです。(だけどそうすると後ろの方にでてくるスティンクスの「聖ポール寺院みたいなもの?」というボケが、あながちボケとも言えなくなってくるような。別のパウロ(ポール)なんだろか?)
[訳註]
「註の必要ない」とか言いつつ、パウロのことを十二使徒とか嘘書いてますねー。
【ウルジー枢機卿・オレンジ公ウィリアム】
[訳註]
ウルジー枢機卿は十六世紀の人物。ヘンリー八世に仕えました。ハンプトン・コートはもともとウルジー枢機卿が造らせた宮殿でした。後にヘンリー八世に取り上げられ英王室のものになってしまいます。
オレンジ公ウィリアムとは、十七世紀イギリス名誉革命の際に王位についた後のウィリアム三世です。ハンプトン・コートにはウィリアム三世がつくらせた庭や迷路、美術室があり、共同統治していた妻のメアリ二世の美術コレクションも相当なものだったといいます。
【インド帰り】
[訳註]
「インド帰りの兵士」とはつまり、アフガン戦争従軍から帰国してきた英雄なのです。
【うそいうタイプなんです】
[訳註]
「『susceptible』な人を催眠状態にする」、と言われて「私は『suspectible』です」と答えたわけです。
「p」と「c」が入れかわっただけであら不思議、「だまされやすい」という単語が「疑り深い」という単語になってしまいました。
皮肉なのか、言い間違えただけなのか、というわけです。
訳では「暗示《あんじ》」と「暗視《あんし》」の言い間違い(or皮肉)ということにしておきました。
訳では「そういうタイプ」と「うそいうタイプ」にしておきましたが、苦しいなぁ。。。