だけど、彼みたいに利口でも、ここでアウトになっちゃった、なぜって間違ったものを取ったんです。『健康を祝して、テレンス』って言った。『鬼みたいに引っぱれよ』。そうして彼は聖水の壜を持ち上げたんです、でもほとんど口には入れなかった、金切り声をあげると、途端に二人は離れて、父の手のなかに体から離れた足を残して放り出された。地主はテーブルの向こうに倒れ、父は部屋を半ば横切り仰向けにぶつかった、ゆかの上にね。意識を取り戻したときには雨戸の向こうに陽気な朝の太陽が輝いていて、父は仰向けにゆかに横たわり、受け口から抜いて引っぱった大きな古い椅子の足を一本両手にしっかり持ってたんです、天井に向けて、で、年老いたラリーは相変わらず眠りこけ、今まで通り大きないびきをかいていました。父はその日の朝マーフィー神父のところに行きました、それ以来命日にはね、告解もミサも怠らなかった、この話をあまり話さないってことがいっそう信用できます。それで、地主について、地主の霊についてですけどね、酒が嫌いになったからなのか、足を失ったからなのか、二度とさまよい歩かなくなりましたよ。」