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J・D・サリンジャー (1919-)
J. D. Salinger  
 アメリカの小説家。

 
――「」()


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1942 Personal Notes of an Infantryman 「ある歩兵に関する個人的な覚書」
【あとがき】

 ショート・ショート。サリンジャーには、著者の意向で短篇集に収録されていない初期短篇作品が二十一篇あります。この作品も本国では『Collier's』一九四二年十二月号に発表されたきりのものです。日本では幸いにも翻訳権の関係で、荒地出版社刊『サリンジャー選集2若者たち〈短編集I〉』に収録されています。その『サリンジャー選集』の編者の方は、ショート・ショート二篇を、「不自然な筋立てはいかにも頂けないように思う」のひとことだけで切り捨てていますが、例えば二篇ともが軍隊を舞台にしていることや、本作品で描かれているような「家族愛」などは、サリンジャー作品を考えるうえでは非常に重要な要素だと思います。そうは言ってもやはり不自然ではありますが。しかし通読してから読み返してみると、冒頭の例え話はそこに置かれる必然があることに気づきますし、半ばあたりにある「ロウラーはからかうように言った。」というひとことは、なかなかうまい表現だと思いました。

 なんだかんだと書きましたが、実は本作品を訳した一番の理由は、初期短編の中で一番短かったからです。短いとはいえ、ところどころに俗語やサリンジャー語が使われていたり、こういうオチのある作品であったりしたために、けっこう手こずった作品でした。訳すうえで注意した点を以下に記しておきます。大げさな言い方をすると本作品は一種の叙述トリックです。英語では「He」や「I」で何事もないのですが、日本語では語り手がロウラーのことを「彼」と呼ぶことは絶対にあり得ないでしょうし、「I」の訳し方も考え所です。ただ冒頭の文章の「He」だけは、適切な訳が思いつかず、「彼」という訳語を使わざるを得ませんでした。まあそもそもサリンジャー自身がそれほどオチの核心にこだわって叙述しているようには感じられないので、そんなに厳密に叙述にこだわる必要はないのかもしれませんが。

 話し言葉も困りものでした。一応、ロウラーは公式には上官に対して敬語を使うだろうと。

 最後になりましたが、この翻訳の扱いについて説明しておきます。作品の翻訳権は切れております。翻訳者wilderはこの翻訳について翻訳者としての権利を主張するつもりはありませんので、法律と良識の範囲内で自由に使っていただいてかまいません。翻訳権は切れていますが、元著作権は存続しています。原作を著しく改変するような翻案・パロディは著作権侵害の恐れがありますのでご注意下さい。この作品を翻訳してテキスト形式の電子書籍ファイルとして無料出版することに法律的な問題点は(現時点では)ないはずですが、利用に伴う利害については個々の責任でお願いいたします。

1951 The Catcher in theRye 『ライ麦畑でつかまえて』『キャッチャー・イン・ザ・ライ』
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1945  
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1946   『 
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邦訳
1948   『 
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邦訳  
1950  『 
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邦訳
1951  


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