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翻訳者:wilder
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人狼

ユージーン・フィールド


人狼


 サクソン朝エグバート王の御代、イスールトという名の女性がブリテン島に暮らした。気立てがよく美しくもあったので誰からも愛されたが、どの若者の求婚にも応じず、ハロルドただ一人を愛し、婚姻を約した。

 イスールトを愛する若者の一人に、アルフレッドがいた。イスールトがハロルドに好意を見せることに憤りを覚え、ある日ハロルドにこう告げた。「墓から甦りしジークフリートが、イスールトを娶ること正しからんや?」さらに言いつのる。「汝が祖父の名を吾が唱えるとき、何故なにゆえに汝が顔は蒼ざむるのか?」

 ハロルドは問い返した。「我を謗るに、汝、ジークフリートの何をか知らん? 何処いずくの記憶が我を苦しめたると?」

「自明なり、自明なり」アルフレッドが答える。「祖母より聞きし物語、忘るることなし」

 こうしてそれ以来、アルフレッドの言葉、アルフレッドの嘲笑が、日に夜にハロルドを悩ませた。

 ハロルドの祖父チュートン族のジークフリートは、残忍獰猛な男だった。伝説によるとその身に呪いを注がれ、時が来ると人間を血祭りに上げる邪悪な魂を有していたという。だがジークフリートは遙か昔に死んだ。妖精ブリュンヒルデから贈られた、伝説となった鋭利な槍も、ハロルドの心には少しも気にかからなかった。かかる槍は、輝きの曇ることも刃先の鈍ることもないという。ハロルドの部屋に架けられていたが、あまねく武器の中でも孤高の輝きを放っていた。

 イスールトはアルフレッドの愛には気づいていたが、ハロルドを謗った毒ある言葉には気づかなかった。ハロルドへの愛は、信頼と優しさに満ちた完全なものであった。だがジークフリートの呪いがハロルドを覆っているという点でアルフレッドは真実を射ていた――呪いは、一世紀の眠りより醒め、そのの血に甦っていた。ハロルドはそれを自覚していたし、自分とイスールトのあいだに立ちはだかっていることもわかっていた。だが愛は何よりも強い。それにハロルドは愛していた。

 ハロルドは己に受け継がれた呪いのことはイスールトに話さなかった。イスールトの愛情が失われることを恐れたのだ。己の静脈に燃え立つ呪いの焔を感じようとも、こう言ったであろう。「明日、遠方の森にしし狩りす」あるいは、「来週、遠き北の丘に鹿追いにく」これまでも、いろいろと遠出を詫びてきたが、イスールトが不吉なことを想像することはなかった。信じやすいひとだったし、そう、ハロルドが幾度となくどんな遠くに行こうとも、悪いことなど疑いもしなかった。ハロルドが野蛮な呪いに冒されたところを見た者は誰一人いなかった。

 アルフレッドだけが、凶事を思った。「不思議なことだが」そう言った。「かねてより行く先まで、かの勇猛なる花婿が仲間の元を去るとき、何処に赴くか誰しも知らず。誠に、かのジークフリートの孫より目を離さざるべし」

 ハロルドは、アルフレッドの監視に気づいており、呪われし我が身を目撃されることに絶えざる恐れを抱き苦悩した。だが何よりも恐れたのはおそらく、イスールトの目の前で呪いに捉えられ、悪しき呪いが彼女を襲うことだった。その結果イスールトは死に至り、ハロルドへの愛は永久に帰らぬのだ。こうしたわけで、ハロルドは己が愛に絶望を感じ怯えながら暮らしていたが、その恐怖と戦う術を知らなかった。

 さてその頃、国中を人狼の被害が襲った。誰もがこの獣を恐れた。勇敢な者さえも。人狼は、昼は人姿だが夜には狼になって破壊と殺戮を尽くし、人間の力など歯牙にも掛けぬ不死身の命を持っていた。いたるところで獣が人間を襲い貪り、恐怖と荒廃が充満した。予言者は告げた。誰かが怒れる怪物にその身を捧げぬ限り、地上は人狼から解放されることはない、と。

 さてハロルドは非凡な狩人としてあまねく知られていたが、決して人狼を狩りに出かけたりはしなかった。さらに奇妙なことに、ハロルドがいるあいだは人狼は土地を荒らしたりしなかった。アルフレッドが訝り頻りと口にした。「ハロルドは尋常ならざる狩人なり。ほかの誰が斯様かように子鹿を追い、逃ぐる熊に留めをさすべからん? だが人狼の訪れし折りに不在とは、如何に量りし偶然か。かかる勇気こそジークフリートに相応しけれ」

 ハロルドの心に怒りの炎が燃え立ったが、恐れ危惧する真実を漏らしてしまわぬように、何も答えなかった。

 イスールトがハロルドに言ったのは、そんな折りのことだ。「明晩、神樹しんじゅの森の祭に、共に行かまし?」

「行けぬ」ハロルドは答えた。「今は言えぬが密使として、ノルマンディに呼ばれし。我のことを思わば、祭には一人で行かざるべし」

「何をか言わん」イスールトは声をあげた。「聖アルフレダ祭に行くまじと? 乙女どもの中に我れが居ざらば、父いと不興がらん。父の愛を斯様に裏切ることは痛ましかりけり」

「だが、願わくば行かざらん」ハロルドは懇願した。「神樹の森の聖アルフレダ祭には行かざるべし! 汝、我を愛さば、な行きそ――請うらくは見よ、我が両の膝を!」

「いと蒼く」イスールトは言った。「また、震えし」

「明夜、神樹の森に行かざるべし」ハロルドは請うた。

 イスールトはその言動に驚いた。真っ先に考えたのは、嫉妬しているのだということだ――こんな時はいつも、密かに(女であることに)喜びを覚えた。

「あな、我が愛を疑いけん」だがハロルドの顔が蒼白なのを見て、言い足した――口にした言葉を後悔するように――「もしは人狼を恐れしか?」

 するとハロルドは両の目で見据えて答えた。「汝の言いし通り。我の恐るるは人狼なり」

何故なにゆえ、斯かる異様な目つきで我をか見たる、ハロルド?」イスールトは叫んだ。「汝の目に宿りし残酷なる光に、人は人狼たりとて汝を捕らえん!」

「来やれ、座せ」ハロルドは震えながら言った。「明晩、聖アルフレダ祭に行くを恐れし所以を告げん。昨夜見し夢を聞け。我は人狼の夢を見たり――な震えそ、ただ夢の話なり。

「白髪の翁が枕頭に立ち、我が胸より魂を抜き出さんとす。

『何をかせん?』と我れ叫べり。

『爾が魂はがものなり』翁、言えり。『爾の生涯は吾が呪いと共にあり。魂を我に――手を退しりぞけよ――魂を我に』

『汝が呪いは我にはあらじ』我れ叫べり。『我れ、呪いを注がれんことを為しや? 我が魂、汝が手中にはあるまじ』

『吾が罪のため、爾、苦を受けん、吾に呪われしは、爾、地獄に耐えん――さこそ運命なれ』

「翁、斯く語れり。我に挑みて勝利を治む。我が魂を胸より引き抜きて曰く、『行け、求め、ほふるべし』――かくて――かくて見よ、我は荒野に立つ狼たれり。

「乾草が足の下で音を立つる。夜の闇が重く我を押し潰す。怪しき恐怖が魂を苦しめ、狼の体躯からだに閉じ込められし魂は吽吽オンオンと吼ゆる。無数の声が我に語りて曰く、『行け、求め、屠るべし』、かかる声に重なりて翁の忌まわしき哄笑が聞こゆ。我は荒野に放たるる――何処か知らぬ。また我を鞭打つ衝動の得体も知れず。

「河に行きて水に飛び込み、燃ゆる喉を癒すべく、河の水をめり――炎の波が辺りで燃えて音を立てる。炎、曰く、『行け、求め、屠るべし』、我は再び翁の哄笑を聞く。

「昏き藪、くらき影潜む森が眼前に広がり――鴉、蝙蝠、蛇、蜥蜴、闇に蠢くあらゆる動物あり。山査子サンザシの中を走り抜け、木の葉、刺草イラクサ、荊の中に身を潜むる。梟が啼き、棘が我が身を刺す。『行け、求め、屠るべし』、すべてのものが口にす。兎が眼前を跳ね、別の動物が吼えながら走り去る。生きとし生けるものが我が耳に咆哮する――我が身は呪われし――我は人狼なりし。

「嗚呼、我は風の如くに疾走し、狼の檻に囚われし我が魂は吽吽と吼ゆる。風と水と木々が我に命ずる。『行け、求め、屠るべし。爾は呪われし獣なり、行け、求め、屠るべし』

「何処に於いても狼を哀れまず。斯様な、人狼たる我に、如何なる情けを示す? 我が身の呪いは、餓えを満たし血を渇望す。人知れず道を行きながら心中で叫びて曰く、『我に血を、嗚呼、我に人の血を。人の血こそ我が憤怒をなだめしむれ。我が呪いを去らしむれ』

「遂に神樹の森に至れり。幽き白楊ポプラオークが怒りを表わす。眼前に翁立てり――髪白く哄笑せし、我をうれえしむる呪いの、かの翁なり。翁、我を恐れず。あまねく生き物が逃げ出ずるとも、翁、我を恐れず。傍らに乙女あり。我を見ざるは、盲目なりしゆえ

「『屠るべし、屠るべし』翁、叫びて、傍らの乙女を指す。

「地獄が体躯に猛る――呪いが我を駆り立てる――我は乙女の喉に飛びかかりけり。三度みたび、翁の哄笑が聞こゆ。かくて――かくて我は目覚めし。震え、凍え、恐れつつ」

 夢の話が語られる間もなく、アルフレッドがやって来た。

「さてすまぬが」彼は言った。「哀れなる二人をいまだ見ざると思いし故」

 するとイスールトは、ハロルドの旅立ちのこと、及び、神樹の森の聖アルフレダ祭に行かぬよう求められたことを話した。

「かくも子供らしき恐れかな」アルフレッドは勝ち誇ったように叫ぶ。「如何様いかさまに我を悩ます。祭には仲間を連れて行く。イチイの弓と鋭き槍を携えし屈強なる従者ずさどもなり。彼ら随伴しければ、人狼など我らに近づくことぞなき」

 イスールトが陽気に笑うと、ハロルドが言った。「されば良し。神樹の森に行くべし。我が愛と神のご加護が、悪より守らん」

 それからハロルドは家に行き、イスールトのためにジークフリートの槍を取りに戻った。彼女の両の手に槍を握らせてこう言った。「明夜、森にはこの槍を持て行け。ジークフリートの槍なり。霊験と仙才を有す」

 そしてハロルドはイスールトを思い、祈りを捧げると、額と唇に口づけをした。「さらば、愛し君。我が身を捧げしを知らば、汝、如何に我を愛さん。さらば、さらば、永遠なる、我が最愛のひとよ」

 そしてハロルドは途次につき、イスールトは驚きで呆然としていた。

 明くる夜、祭が催された神樹の森にイスールトはいた。帯にジークフリートの槍を提げて。アルフレッドが相伴し、アルフレッドには屈強な従者が随伴していた。森は賑わいで溢れ、歌と踊りと座興に戯れ素朴な村人たちが聖アルフレダ祭を祝っていた。

 だが突如として大混乱が生じ、叫びが起こった。「人狼だ!」「人狼だ!」 一面恐怖に覆われ――猛き心も恐怖に凍えた。遠くの木立から疾駆する人狼が飛び出した。森を揺らし、声を嗄らし、牙を鳴らし、鋭い顎から黄色い泡をあちこちに飛ばしている。人狼はまっすぐにイスールトを目指した。まるで邪悪な力が居場所を導いているように。だがイスールトは恐れなかった。大理石像のように立ち、人狼が向かってくるのを見据えた。従者たちは松明を落とし、弓を投げ捨て逃げ出した。アルフレッドだけが怪物と戦うために留まっていた。

 接近する狼に向かい、アルフレッドは重い槍を投げつけたが、人狼の剛毛に打ち返されたように、武器は粉々に砕け散った。

 それから人狼はイスールトの上に目を据えた。慌てて櫟の影に隠れ、ハロルドの言葉を思い出していたイスールトは、帯からジークフリートの槍を抜き、高く掲げ、何の望みも賭けることなく音を立てて虚空に飛ばした。

 人狼は輝く武器を目にし、開いた喉から叫びがはじけた――苦悶に喘ぐ人間の叫びだった。イスールトは人狼の目に、よく知っている人の瞳を見出した。だがそれも束の間、すぐに人間の目ではなく獰猛な狼のものになった。

 超自然の力が飛んでゆく槍を後押ししたのだろうか。恐るべき正確さで槍は急所を打ち、ちょうど心臓の真上に当たる毛だらけの胸に、半ばまで突き刺さった。そしてそれから、ぞっとするような――去りゆく生に未練があるような――吐息とともに、人狼は櫟の陰で死を迎えた。

 それから、そう、それからはまさに歓喜と喧噪の嵐だった。かかる中、美しい顔を蒼白く震わせながら、イスールトは家路についた。家では、彼女に敬意を表する祝宴が準備されていた。人狼は死んだのだ。そして斃したのは彼女なのだ。

 だがイスールトは訴えた。「ハロルドを捜しに行かん――ハロルドのもとに連れて行くべし。見つかるまで何も食べじ、一睡もせじ」

「我が君よ」アルフレッドが言った。「いずくんぞ連れて行かん? ハロルドはノルマンディに赴きしなり」

「何処にいようと如何にするものぞ」イスールトは叫んだ。「再びハロルドの目を見るまで、我が心、脈打たず」

「ノルマンディに行かぬこと確かなるぞ」ヒューバートが打ち明けた。「まさに今夕、家に入るハロルドを見たり」

 ひとかたまりになってそこに急ぐ。部屋の扉は閉ざされていた。

「ハロルド、ハロルド、出でて来べし!」扉を叩きながら叫んだが、呼びかけにもノックにも答えはない。不安になり扉を打ち破ると、ベッドに横になったハロルドが見えた。

「眠りたり」誰かが言った。「見るべし、手に写真ぞ抱きたる――イスールトの写真なり。如何に健やかにして如何に長閑に眠りたるや」

 だが違った。ハロルドは眠ってはいなかった。顔は恋人の夢を見ているように穏やかで麗しかったが、服は胸の傷から流れ出た血で真っ赤だった――鋭い槍で傷つけられたように、心臓のちょうど真上が柘榴ざくりと裂けていた。




Eugene Field 'The Werewolf'(1911) の全訳です。


Ver.1 03/08/18


 〔作家・作品について〕
 コッパード「アラベスク――鼠」に続いて、夏の怪奇幻想もの第二弾を訳してみました。今回はマイナーなのを。
 作者のユージーン・フィールド(1850-1895)はアメリカの詩人。この作品は死後発表されたようです。子供向けの詩を書いていたといいますが、何を血迷ったのかこんな作品を書いてくれました。「子供向けの詩」とは童謡のことでしょうか。我が国でいえば西條八十や阪田寛夫が怪談を書くような感覚? 西條八十にならこんな作品もありそうではあります。
 マイナーと書きましたが、私が知らないだけで有名なのかもしれません。事実ネットで簡単に原文が手に入るくらいですから、本国ではそこそこはメジャーな作家の割と有名な作品なのでしょう。
 ジークフリート伝説は「濃い」イメージがあったのですが、それが人狼と結びついた本作は、マリヤット「人狼」に劣らぬ静謐な作品になっているように感じます。そもそも「濃い」のはワグナーの作品であって、原典神話は違うのかもしれません。


 〔訳について〕
 かなり凝ってみたのですが、どうなのでしょう? 地の文を現代語で、セリフを古語で、というのはやはりちぐはぐかもしれません。前半はそれでもまあまあですが後半がかなり違和感あるような。原文はもしかすると「古語」ではなく「詩語」なのかも?
 今回、古語で訳してみて、古文には現在進行形とか「〜でしょ?」に当たることばが無いのでかなり苦労しましたが、それだけ普段テキトーに日本語を使っていたのだなあ、と実感しました。

03/12/27 改訳。→「ポプラ」「オーク」を、〈漢字表記「白楊」「樫」+ルビ〉の形に変更。


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The Werewolf

Eugene Field



In the reign of Egbert the Saxon there dwelt in Britain a maiden named Yseult, who was beloved of all, both for her goodness and for her beauty. But, though many a youth came wooing her, she loved Harold only, and to him she plighted her troth.

Among the other youth of whom Yseult was beloved was Alfred, and he was sore angered that Yseult showed favor to Harold, so that one day Alfred said to Harold "Is it right that old Siegfried should come from his grave and have Yseult to wife?" Then added he, "Prithee, good sir, why do you turn so white when I speak your grandsire's name?"

Then Harold asked, "What know you of Siegfried that you taunt me? What memory of him should vex me now?"

"We know and we know," retorted Alfred. "There are some tales told us by our grandmas we have not forgot."

So ever after that Alfred's words and Alfred's bitter smile haunted Harold by day and night.

Harold's grandsire, Siegfried the Teuton, had been a man of cruel violence. The legend said that a curse rested upon him, and that at certain times he was possessed of an evil spirit that wreaked its fury on mankind. But Siegfried had been dead full many years, and there was naught to mind the world of him save the legend and a cunning-wrought spear which he had from Brunehilde, the witch. This spear was such a weapon that it never lost its brightness, nor had its point been blunted. It hung in Harold's chamber, and it was the marvel among weapons of that time.

Yseult knew that Alfred loved her, but she did not know of the bitter words which Alfred had spoken to Harold. Her love for Harold was perfect in its trust and gentleness. But Alfred had hit the truth the curse of old Siegfried was upon Harold--slumbering a century, it had awakened in the blood of the grandson, and Harold knew the curse that was upon him, and it was this that seemed to stand between him and Yseult. But love is stronger than all else, and Harold loved.

Harold did not tell Yseult of the curse that was upon him, for he feared that she would not love him if she knew. Whensoever he felt the fire of the curse burning in his veins he would say to her "To-morrow I hunt the wild boar in the uttermost forest," or, "Next week I go stag-stalking among the distant northern hills." Even so it was that he ever made good excuse for his absence, and Yseult thought no evil things, for she was trustful, ay, though he went many times away and was long gone, Yseult suspected no wrong. So none beheld Harold when the curse was upon him in its violence.

Alfred alone bethought himself of evil things "'Tis passing strange," quoth he, that ever and anon this gallant lover should quit our company and betake himself whither none knoweth. In sooth't will be well to have an eye on old Siegfried's grandson."

Harold knew that Alfred watched him zealously, and he was tormented by a constant fear that Alfred would discover the curse that was on him; but what gave him greater anguish was the fear that mayhap at some moment when he was in Yseult's presence, the curse would seize upon him and cause him to do great evil unto her, whereby she would be destroyed or her love for him would be undone forever. So Harold lived in terror feeling that his love was hopeless, yet knowing not how to combat it

Now, it befell in those times that the country round about was ravaged of a werewolf, a creature that was feared by all men howe'er so valorous. This werewolf was by day a man, but by night a wolf given to ravage and to slaughter, and having a charmed life against which no human agency availed aught. Wheresoever he went he attacked and devoured mankind, spreading terror and desolation round about, and the dream-readers said that the earth would not be freed from the werewolf until some man offered himself a voluntary sacrifice to the monster's rage.

Now, although Harold was known far and wide as a mighty huntsman, he had never set forth to hunt the werewolf, and, strange enow, the werewolf never ravaged the domain while Harold was therein. Whereat Alfred marvelled much, and oftentimes he said: "Our Harold is a wondrous huntsman Who is like unto him in stalking the timid doe and in crippling the fleeing boar? But how passing well doth he time his absence from the haunts of the werewolf. Such valor beseemeth our young Siegfried."

Which being brought to Harold his heart flamed with anger, but he made no answer, lest he betray the truth he feared.

It happened so about that time that Yseult said to Harold, "Wilt thou go with me tomorrow even to the feast in the sacred grove?"

"That can I not do," answered Harold. "I am privily summoned hence to Normandy upon a mission of which I shall some time tell thee. And I pray thee, on thy love for me, go not to the feast in the sacred grove without me."

"What sayst thou?" cried Yseult. "Shall I not go to the feast of Ste. AElfreda? My father would be sore displeased were I not there with the other maidens. 'T were greatest pity that I should despite his love thus."

"But do not, I beseech thee," Harold implored. "Go not to the feast of Ste AElfreda in the sacred grove! And thou would thus love me, go not--see, thou my life, on my two knees I ask it!"

"How pale thou art," said Yseult, "and trembling."

"Go not to the sacred grove upon the morrow night," he begged.

Yseult marvelled at his acts and at his speech. Then, for the first time, she thought him to be jealous--whereat she secretly rejoiced (being a woman).

"Ah," quoth she, "thou dost doubt my love," but when she saw a look of pain come on his face she added--as if she repented of the words she had spoken--"or dost thou fear the werewolf?"

Then Harold answered, fixing his eyes on hers, "Thou hast said it, it is the werewolf that I fear."

"Why dost thou look at me so strangely, Harold?" cried Yseult. "By the cruel light in thine eyes one might almost take thee to be the werewolf!"

"Come hither, sit beside me," said Harold tremblingly, "and I will tell thee why I fear to have thee go to the feast of Ste. AElfreda tomorrow evening. Hear what I dreamed last night. I dreamed I was the werewolf--do not shudder, dear love, for 't was only a dream.

"A grizzled old man stood at my bedside and strove to pluck my soul from my bosom.

" 'What would'st thou?' I cried.

" 'Thy soul is mine,' he said, 'thou shalt live out my curse. Give me thy soul--hold back thy hands--give me thy soul, I say.'

" 'Thy curse shall not be upon me,' I cried 'What have I done that thy curse should rest upon me? Thou shalt not have my soul.'

" 'For my offence shalt thou suffer, and in my curse thou shalt endure hell--it is so decreed.'

"So spake the old man, and he strove with me and he prevailed against me, and he plucked my soul from my bosom and he said, 'Go, search and kill'--and--and lo, I was a wolf upon the moor.

"The dry grass crackled beneath my tread. The darkness of the night was heavy and it oppressed me. Strange horrors tortured my soul, and it groaned and groaned gaoled in that wolfish body. The wind whispered to me; with its myriad voices it spake to me and said, 'Go, search and kill.' And above these voices sounded the hideous laughter of an old man I fled the moor--whither I knew not, nor knew I what motive lashed me on.

"I came to a river and I plunged in. A burning thirst consumed me, and I lapped the waters of the river--they were waves of flame, and they flashed around me and hissed, and what they said was, 'Go, search and kill,' and I heard the old man's laughter again.

''A forest lay before me with its gloomy thickets and its sombre shadows--with its ravens, its vampires, its serprents, its reptiles, and all its hideous brood of night I darted among its thorns and crouched amid the leaves, the nettles, and the brambles. The owls hooted at me and the thorns pierced my flesh. 'Go, search and kill,' said everything. The hares sprang from my pathway; the other beasts ran bellowing away; every form of life shrieked in my ears--the curse was on me--I was the werewolf.

"On, on I went with the fleetness of the wind, and my soul groaned in its wolfish prison, and the winds and the waters and the trees bade me, 'Go, search and kill, thou accursed brute, go, search and kill.'

"Nowhere was there pity for the wolf; what mercy, thus, should I, the werewolf, show? The curse was on me and it filled me with hunger and a thirst for blood. Skulking on my way within myself I cried, 'Let me have blood, oh, let me have human blood, that this wrath may be appeased, that this curse may be removed.'

"At last I came to the sacred grove. Sombre loomed the poplars, the oaks frowned upon me. Before me stood an old man--'twas he, grizzled and taunting, whose curse I bore. He feared me not. All other living things fled before me, but the old man feared me not. A maiden stood beside him. She did not see me, for she was blind.

" 'Kill, kill,' cried the old man, and he pointed at the girl beside him.

"Hell raged within me--the curse impelled me--I sprang at her throat. I heard the old man's laughter once more, and then--then I awoke, trembling, cold, horrified."

Scarce was this dream told when Alfred strode the way.

"Now, by'r Lady," quoth he, "I bethink me never to have seen a sorrier twain."

Then Yseult told him of Harold's going away and how that Harold had besought her not to venture to the feast of Ste AElfreda in the sacred grove.

"These fears are childish," cried Alfred boastfully. "And thou sufferest me, sweet lady I will bear thee company to the feast, and a score of my lusty yeoman with their good yew-bows and honest spears, they shall attend me There be no werewolf, I trow, will chance about with us."

Whereat Yseult laughed merrily and Harold said: "'T is well; thou shalt go to the sacred grove, and may my love and Heaven's grace forefend all evil."

Then Harold went to his abode, and he fetched old Siegfried's spear back unto Yseult, and he gave it into her two hands, saying, "Take this spear with thee to the feast to-morrow night. It is old Siegfried's spear, possessing mighty virtue and marvellous."

And Harold took Yseult to his heart and blessed her, and he kissed her upon her brow and upon her lips, saying, "Farewell, oh, my beloved How wilt thou love me when thou know'st my sacrifice. Farewell, farewell, forever, oh, alder-liefest mine."

So Harold went his way and Yseult was lost in wonderment.

On the morrow night came Yseult to the sacred grove wherein the feast was spread, and she bore old Siegfried's spear with her in her girdle. Alfred attended her, and a score of lusty yeomen were with him. In the grove there was great merriment, and with singing and dancing and games withal did the honest folk celebrate the feast of the fair Ste. AElfreda.

But suddenly a mighty tumult arose, and there were cries of "The werewolf!" "The werewolf!" Terror seized upon all--stout hearts were frozen with fear. Out from the further forest rushed the werewolf, wood wroth, bellowing hoarsely, gnashing his fangs and tossing hither and thither the yellow foam from his snapping jaws. He sought Yseult straight, as if an evil power drew him to the spot where she stood. But Yseult was not afeared; like a marble statue she stood and saw the werewolf's coming. The yeomen, dropping their torches and casting aside their bows, had fled; Alfred alone abided there to do the monster battle.

At the approaching wolf he hurled his heavy lance, but as it struck the werewolf's bristling back the weapon was all to-shivered.

Then the werewolf, fixing his eyes upon Yseult skulked for a moment in the shadow of the yews and thinking then of Harold's words, Yseult plucked old Siegfried's spear from her girdle, raised it on high, and with the strength of despair sent it hurtling through the air.

The werewolf saw the shining weapon, and a cry burst from his gaping throat--a cry of human agony. And Yseult saw in the werewolf's eyes the eyes of some one she had seen and known, but 't was for an instant only, and then the eyes were no longer human, but wolfish in their ferocity.

A supernatural force seemed to speed the spear in its flight. With fearful precision the weapon smote home and buried itself by half its length in the werewolf's shaggy breast just above the heart, and then, with a monstrous sigh--as if he yielded up his life without regret--the werewolf fell dead in the shadow of the yews.

Then, ah, then in very truth there was great joy and loud were the acclaims, while, beautiful in her trembling pallor, Yseult was led unto her home, where the people set about to give great feast to do her homage, for the werewolf was dead, and she it was that had slain him.

But Yseult cried out: "Go, search for Harold--go, bring him to me. Nor eat, nor sleep till he be found."

"Good my lady," quoth Alfred, "how can that be, since he hath betaken himself to Normandy?"

"I care not where he be," she cried. "My heart stands still until I look into his eyes again."

"Surely he hath not gone to Normandy," outspake Hubert. "This very eventide I saw him enter his abode."

They hastened thither--a vast company. His chamber door was barred.

"Harold, Harold, come forth!" they cried, as they beat upon the door, but no answer came to their calls and knockings. Afeared, they battered down the door, and when it fell they saw that Harold lay upon his bed.

"He sleeps," said one. "See, he holds a portrait in his hand--and it is her portrait. How fair he is and how tranquilly he sleeps."

But no, Harold was not asleep. His face was calm and beautiful, as if he dreamed of his beloved, but his raiment was red with the blood that streamed from a wound in his breast--a gaping, ghastly spear wound just above his heart.


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