新聞社はお金については何も言わなかった――正確で、迅速で、完璧な、その日に知った情報。名誉のために付け加えると、二人とも私生活を調査したり聞き込んだりはせずに、公的社会的な利害にのみ職権を行使した。要するに彼らは、数年の間「偉大な政治・軍事報道」と呼ばれていたものになったのだ。
彼らについて行くと、一般にものの見方に独自の型を持っていて、とりわけ結論における理解や鑑賞にそれぞれ独自の方法があることがわかる。
フランス特派員の名は、アルシード・ジョリヴェといった。ハリー・ブラントというのがイギリス人の名だ。彼らは新王宮の祝宴の新聞記事を書くため遣わされ、そこで初めて出会った。二人の性格の相違点は、一般に同じ職業のライヴァルの間に存在する、一定量の嫉妬を加えたが、若干共感も与えたかもしれない。しかしお互いに避けたりはしなかった。むしろ毎日言葉を交わそうと努力した。彼らは結局、同じグラウンドで調査するスポーツマンなのだ。一人が逃した情報も、もう一人は都合良く入手したかもしれないというのが、会って話すことへの関心であった。
今晩は二人とも注意していた。雰囲気のなかに何かを感じていたのだ。
「無駄骨かな」アシード・ジョリヴェが独りごちた。「やる価値はあるかもしれないが」 こうして二人の特派員はお互い慎重にさぐり合いを始めた。
「ねえ、このささやかな祝宴は魅力的ですね!」高名なるフランスの文句を使って会話を始めたいと考えながら、アルシード・ジョリヴェは愉快に言った。