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 作品紹介
1845 La Reine Margot 『王妃マルゴ』
 ・『王妃マルゴ』『モンソローの奥方』『四十五人組』三部作の第一作。マケ共作。

 シャルル九世の御代。王妹マルゴとナヴァール王アンリの政略結婚が行われていた。カトリックの女王とユグノーの王との結婚に、民衆は沸き立っていたが……母カトリーヌ・ド・メディシスにそそのかされたシャルル九世は、ユグノーの虐殺を命じる。世に言う聖バルテルミーの虐殺である。アンリ・ド・ナヴァールの部下ラ・モールもユグノー狩りに遭い、逃げ込んだのはマルゴ王妃の寝室だった。二人は一目で恋に落ちた。シャルルはアンリに改宗を迫り、カトリーヌはヴァロワ家の血を守るためアンリの命を狙っていた。王弟アランソン公フランソワはアンリを利用することで王位を狙い、アンリはアランソン公を利用することで自分とユグノーの命を守ろうとしていた。やがて運命のいたずらが、シャルルを病に臥せらせる。王室のスキャンダルを防ぐため犠牲に選ばれたのは、ラ・モールだった……。

 すべてを力で解決しようとするカトリーヌ・ド・メディシス、政略結婚を政略と割り切りナヴァールのために協力し合うアンリとマルゴ――そこに情緒不安定なシャルル九世と、日和見な小悪党タイプのアランソン公という不確定要素が加わることで、はらはらのし通しです。そこは都合のいいくらいの強運と協力者と観察眼のおかげで、常にカトリーヌは裏を掻かれ、アンリとマルゴは危機を脱するのですが、カトリーヌの陰謀が運命に裏切られ、運命がラ・モールとマルゴを裏切る終盤にはそれまで以上にぞくぞくしました。

邦訳(1)『王妃マルゴ(上・下)』(河出文庫)榊原晃三訳[bk1amazon
(2)『王妃マルゴ』(文藝春秋)鹿島茂編訳[bk1amazon](抄訳だが鹿島氏による解説とコラムが充実)



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