「『ああ、ちぇっ』って父は言うと、『老いぼれの邪魔なんかしないさ。友情も優しさも無しだ』、『寝てる間はそっとしとこう』と言った。『おれも見習いたいものさ』。
「そうして父はうろつき始めると、祈りを唱えていましたよ、疲れ果てるまで、ね。でもてんで駄目だったな。一パイント近く呑んでいましたからね、心を落ち着けるために。
「『ああ』父さんが言った、『そこにいるラリーみたいに安らかにしてください。ひょっとすると』ね、『眠れるハメになるかも』って。そうしてローレンスのそばの大きなアームチェアを引き寄せると、できるだけ具合よく腰をおろしたんだ。
「けどすごいことがあったんです。われを忘れて、しばしの時も絵から目を離せなかった、肖像画の目が父をつけ回しているのにすぐに気付いたんです、じっと見つめ、目配せした、父がどこに行っても。『おお』それを見て父さんはそう言った、『なんて運が悪いんだ』。『こんなふうんな場所に来た日にゃあ、おれもついてない』ってさ。『だがとにかく今おびえるのは無意味なことだ』。『だってもし死ぬんなら、堂々とことにあたった方がいいものな』そう言ったんです。