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土蜘蛛草紙
―つちぐもざうし―
其の九
〔翻刻〕
綱がいふやう、「御釼のさきのをれやうを見るに、楚國のみけむさくしかうを思て雄釼のさきを〔り〕つるにたがは〔ず〕。ねがはくは〔藤〕をきりかつらをたち〔て〕、人形をつくりて〔烏〕帽子ひたヽれをぬぎヽせて〔前に〕たてヽ行」とや。頼光もろともに用意しけり。
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〔現代語訳〕
綱が云うことには、「御剣の先の折れ方を見ると、楚の国の眉間尺が至孝を心に思って雄剣の先を折ったことと同じです。【もともとは中国の故事だが、土蜘蛛草紙の頼光のエピソードと同じく、『太平記』にも見えるエピソード。父の仇を討ってもらうのと引き替えに、父が作った雄剣の先を折って口に含んで自らの首を切り捧げた】できることなら藤を伐り葛を断って人形を作り、烏帽子と直垂を脱いで着せ、前に立てて進みましょう」とか。頼光ともども準備をした。
〔解説〕
【眉間尺】
もともとは中国の故事だが、土蜘蛛草紙の頼光のエピソードと同じく、『太平記』にも見えるエピソード。眉間尺は、父の仇を討ってもらうのと引き替えに、父が作った雄剣の先を折って口に含んで自らの首を切り捧げた
〔画像〕
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