階段を上ったところでライナに声をかけられた。「一緒にお昼をどう? エレン、アトウォーターさんにお願い……何があったの?」
「ヒューと事件の話をしていただけです。それがこたえたみたいで」
何も言わずに連れて行かれた窓際のテーブルには、まとめて取っていた朝食と昼食が載っていた。もうすっかりよそ行きの着替えを済ませ、カーキ色の毛織りスーツにトーストみたいに小っちゃな小麦色の帽子(羽根飾付き)を身につけている。とても素敵だった。
「そんなことを考えてはだめよ」どう言おうか迷っているようだった。「そうしたいのなら戯れに頭を悩ませたっていい。でもハドソン・ウィンベリーはあなたの知り合いではなかったし、特別な存在でもなかった。まったくの無関係だったんだから。チャールズやわたしに同情しようとするのもだめ。それから」と微笑みながら締めくくった。「わたしたちが毎日友人を殺してまわってるなんて想像はしないでね」
「そんなこと……」わたしは今にも喚き出しそうだった。ライナはあまりにも優しくて、気を遣ってくれる。でもなぜ悩んでいるのかは知らないし、知ることもないのだ。ライナは一生懸命に聞き出そうとした。ベイカーズ・ブリッジのこと、そこに暮らす人たちのこと。そのうちにライナが笑い出したので、自分でも何だかおかしく思い始めた。
昼食を済ませると出かけなければならないらしい。戦時奉仕なの、と言ったライナがまとっている毛皮のコートは、小型戦艦級の値段なのではないだろうか。「午後には戻るわ。ガイが来るし、チャールズもいると思うの。あなたもいらっしゃい。都合は悪くない?」
「もちろんです。もちろん伺います」
ライナが出かけてしまうとわたしは完全に一人きりで、好きなことができた。そのうえお金もあった。五十ドル入りの封筒が鏡台の化粧箱の下に挟まれていたのだ。それでもやはり途方に暮れていた。ショッピングをする気にはなれない。将来を一計する気にもなれない。誰かが家に残ってあれこれ考えてみた方がいいんじゃないだろうか。
というわけで長椅子に寝そべりあれこれ考えてみた。思ったようには筋道だてて考えられなかったけれど。第一に、誰一人としてウィンベリーが自殺した可能性を考慮していないのはなぜだろう? 自分の銃だったのに。はずれ、自分で撃ったのなら、あんなことを言うはずがない。「見いへん」あるいは「見いへん人やった」という言葉の意味を考えれば、誰かがいたことは間違いない。それに管理人が、もう一人やって来た音を聞いている。間違いなく誰かがいた。確かに。では泥棒か何かではないのだろうか? はずれ、何者だったにしろ、鍵を持っていたし銃のありかを知っていたのだ。いや待てよ、ウィンベリー自身が保管場所から銃を取りだしたのかもしれない。そんなことをする理由は思いつけないけれど。
伯父のパチーシ駒こそ一番の悩みの種だった。どうやって現場に移動したんだろう? 脳みそをふりしぼって、伯父さんが赤い駒を窓から捨てたときウィンベリーが立ち去っていたかどうかを思い出そうとした。漠然と考えていたのだが、伯父がやって来たのは、ウィンベリーとギャスケルが立ち去った直後だったのだろう。ライナはもうちょっとあとまでガイ・マクソンと話していたのだと思う。だけど実際どうだったのかはわからない。仮にこの通りだったとすれば、ウィンベリーがタクシーにギャスケルを乗せてパーク・アベニューを走っていたときには、伯父はまだ窓を開けていなかった。ということはウィンベリーにはパチーシの駒を拾えないし、一〇八丁目まで持ち帰ることもできない。
じゃあ誰が?
ヒュー・ミラーの話によれば、ハドソン・ウィンベリーの死に関わることができたのは伯父だけらしい。なぜ? ヒューはほかにも何か知っている。間違いない。わたしの知らない何らかの理由を――もしかすると何らかの動機を? きっと伯父とウィンベリーのあいだには、ただのゲームにとどまらぬ敵意を抱くような、諍いの種があったのだ。ヒューはそれを知っている。絶対にそうだ。
伯父にたずねてみればいいことに、どうして二人とも気づかなかったのだろう。赤い駒を見せ、どこで見つけたのかを伝えて、どういうことなのかたずねればよい。鍵のことも忘れずに。でもたずねたりはしないだろう。なぜたずねないのかに思いいたってぞっとした。伯父が殺人犯ではないと確信していれば、たずねたはずだ。何か知っていれば答えてくれただろうし、そうすれば事件と何の関係もなかったことがわかっただろう。だけど万が一犯人だったとしたら、いくらでも嘘をつけるし、事態は今より悪くなる。「伯父さんが人を殺せると思ってるの?」自問してみて恐ろしくなった。どんな回答が待っているのかは痛いほどよくわかった。嘘をつかれても、わたしには判断するすべがないのだ。
こうして考えてみれば、不安に悩むのも当然だった。(a)伯父が殺人犯だと思われているにせよ、(b)百歩譲って殺人を伺わせるような証拠があるだけにせよ、どちらにしたって容疑者なのだ。いや間違っている。ヒューもわたしも。伯父のような人には援護は必要ない。なすべきなのはすべてを伝えることだ。知っていることすべて、伯父がやるべきことすべて。
一時的に気分がよくなった。でもすぐに思った。仮に伯父が犯人だったとするなら、そのときは何を? そのときは、疑っているなんてことを本人に知らせるわけにはいかない。
不安のあまり緊張が走る。起きあがって窓の外を見たけれど、隣家の裏側しか見えなかった。階下に行ってちょっと見て回ってみよう。
二階に降りて、かなりびくびくしながら開いたままの図書室の戸口を通りすぎたが、誰もいないようだ。さらに階段を降り始めると、なかばあたりで玄関ベルが鳴った。すぐにエファンズが階段下の小さな扉から現れドアを開けた。赤毛の青年が立っていた。「カスカートさんはいますか?」カスカートさまは外出しておりますとエファンズが答えた。「じゃあ奥さんは?」恐れ入りますが奥さまも外出しておりますとエファンズが答える。青年は顔を上げるとわたしを見つけた。
「やあ!」何年も会わなかった知り合いにでも声をかけているような言い方だった。「いったいぜんたいいつここに?」そう言ってすぐにホールに入ってきたので、エファンズは退いた。
「どうも」わたしは青年をもっとよく見ようとしながら曖昧に答えた。
「会いたいと思ってたんだ。ここにいるとは知らなかったな」
「夕べ着いたばかりだったから」誰だったっけ。思い出さなきゃ。とうとう玄関まで降りていた。
「リビングをお使いいただけます、エリザベスさま」エファンズが白塗りの両開き扉のところでうやうやしくささやいた。
「エリザベス」赤毛の青年が言った。「話したいことがあるんだ」
「ええ、いいけど……」かなり混乱していたせいで、リビングに入ってからようやく、この人には今まで一度も会ったことのないことがはっきりわかった。「それよりいったい誰なの?」
「しいっ」エファンズがいないことを確認してから振り返ってにっこりした。それほど背は高くないし、それほどかっこよくもない。緑の瞳は悪戯っぽく、大きな口が、顔全体で微笑みかけていた。「ちょっとした悪戯さ。すぐに追い出してくれてかまわない。ところできみは誰だい?」わたしは目をぱちくりさせた。「チャーリー・カスカートにこんなきれいな娘さんがいたなんて知らなかったな」
「きれいもなにも娘さん自体いないってば」頭に来た。「それに……ちょっと待って。だいたい何がしたくって、どうなってるのか……」
「中に入りたくてからかってみたんですよ。怒ってるでしょうね。で、どちらのきれいな娘さんです?」
「きれいなんかじゃない!」かっとなった。
「きれいじゃないですか!」かっとしたように言い返された。「どこのどいつがきれいじゃないなんて言ってるんだ?」
あまりに気短でおどけて見えたので、思わずくすくすと笑い出すと、青年も笑い出した。ただし真っ赤になっていた。こんなふうに真っ赤になる男性は初めて見る。頭の先まで真っ赤っかだ。
「ガードマンを呼ばれる前に名乗っておきましょう。あなたに追放の楽しみを与えるのは何者か。ジョン・ジョゼフ・ジョーンズと言います」
「嘘ね」
「信じてもらえなくてもしょうがない。新聞社で働いてます。ここにはちょっと嗅ぎ回りに」
「嗅ぎ回りに?」
「ハドソン・ウィンベリーのことはお聞きでしょう?」
わたしは答えなかった。
「聞いてるはずだ」すらすらと続けた。「ウィンベリーは昨夜ここにいた。違いますか?」
「答えてもいいのかどうかわからない。わたしの家じゃないもの」
「ぼくが何をしたらいいのかわかりますか?」答えは素早かった。「脅迫です」
「わたしを!」
「そうです。うまくいったら新聞にはこう書くつもりだったんだ。『謎の少女、被害者の存在を認めず』とかね。書こうと思えば書ける。ちょっと脅して、知っていることをすべて聞き出すこともできるんです。でもやらない。留守で誰もいなかったことにしときましょう」帽子を頭に叩きつけ玄関ホールに向かった。
「待ってよ。なんでなの?」
「なんで月の出る夜があるか教えましょうか?」
「謎の少女なんかじゃない。エリザベス・ギボン。カスカートさんの姪です。ええと……バイバイ」
リビングを端から端まで歩いた。素敵な部屋。上の図書館と同じ大きさで、さらに立派な家具がある。フレンチ・ソファに腰を掛けた。
「こんなふうに出会った以上は――」
顔を上げると、そばにジョーンズが立っていた。帽子を脱いでコートを抱えている。緑色の目が笑っていた。「――ここにいてもかまいませんよね?」
「質問には答えられない。答えちゃいけないと思うの。そりゃウィンベリーさんはここにいたけど。みんな知ってることだもの。伯父の友人たちと一緒に……ううんと……夜を過ごしてた」
「ですね」と言って隣に腰を下ろしてきた。
「帰ったのは十二時半ごろ」彼が口を閉じた途端に落ち着かない気分になった。
「ええ。ギャスケルさんが話してくれました」
「じゃあギャスケルさんと二人でタクシーに乗ってたの?」
「そのようです」
「ウィンベリーさんはクラブかどこかに向かったのね? 行かなきゃって言ってたもの」
「行きましたね」
「クラブはどこにあるの?」
「セントラル・パーク・ウェスト六〇丁目」
「ふうん。でも何の役にも立たないけど」
彼は向きを変えてソファの背に腕を預けると、わたしを見た。「ほかに知りたいことは?」
「山ほど。ねえ、わたし、さっきからずっと謎を解こうとしていたの」
「探偵の才能があるんですか?」
「そうよ」
「よし、それなら始めましょうか、何でも聞いてください」
「迷惑じゃない?」
「ちっとも」
「じゃあね、封筒の中身は何?」
「封筒って何です?」
「そう言ってたの。クラブで封筒を受け取らなきゃって」
「ああ、現金ですよ。五十ドル。貸してた金の分割受取りが終わったんです。この件とは無関係ですね」
「借金を払い終わった途端に相手を殺したりはしないだろうし」
「そう。殺しちゃいない。昨日の午後にはカリフォルニアだからね」
「わかった。待って……ウィンベリーさんがクラブを出たのは何時?」
「一時ごろ」
また一つたずねたいことができた。「六〇丁目と一〇八丁目ってどのくらい離れてるの?」
「引き算するといい。二十ブロックで一マイル」
「四十八ブロックだから、二マイルと……十分の四マイル」
「引き算だけじゃだめですよ。割り算して通分しなくちゃ。ベティと呼ばれてるのかい?」
「ベッシーよ。それって五、六分で行ける距離?」
「ちょっと待てよ」彼は立ちあがってポケットを探ると、鉛筆で書込みのされたぼろぼろの紙切れに目を通した。「ピーター・フィン。ここの住人。曰く、ウィンベリーが来たのは一時〇八分ごろ。二マイルと十分の四を八分で。スピードは? ほら早く」
「わかんないってば。そんなの計算できない」
「そりゃよかった」まじめくさって言った。
「どうして?」
「気にするな。男の秘密というやつさ。さて」ちびた鉛筆をかじりかじり、紙書き込んでいたが、ようやく口を開いた。「不可能ではない。が、まずないだろうな。信号機を忘れないことだ。でも全部が全部、何時ごろだからな。それじゃあ何の意味もない。きっかりちょうど何時ごろ、か」
「でもタクシーの運転手は見つかってないの? 運転手さんなら何時に着いたかわかるんじゃない?」
「何時に着いたかわかったところで、何の違いもないよ」
「そうだけど」
「じゃあどうして?」
「整理してみようと思っただけ……ずいぶんと早いと思って」
「なるほどね。いや、運転手を見つけたって話は聞いてないな。ほかの二人は見つけたそうだけど」
「一人はウィンベリーとギャスケルを乗せていった人でしょう?」
「ああ」
「じゃあもう一人は?」
「ちょうどその時間帯に、交差点の角で男を拾ったそうなんだ」
「すごいじゃない。ねえほかにもわからないことがあるんだけど。警察はどうやって撃たれた時刻を特定したの?」
彼の顔を見るつもりはなかったけれど、微笑んでいるのは皮膚を通して感じていた。
「よし、いいだろう。おかしな話なんだ。もっとも、ぼくは信じてるけどね。ところがガーネットは頭っから疑ってかかってる。出来すぎなんだとさ。探偵小説は読むかい?」
「それはね」
「そんなとこだろうね。おしどり夫婦のコートさんも、探偵小説を読むんだ。夫妻は二階に住んでいる――ウィンベリーから借りてるのさ。ベッドには入ってたんだろうけど、まだ眠ってはいなかった。そんなとき、銃声が聞こえた。『ねえおまえ、銃声だ』『ほんとね。明かりをつけましょう。時計を見なくっちゃ。警官に聞かれたときに言うことはわかってるんだから』『その通りだよ。一時十六分ちょうどだ』『これでいいわ』そして二人は眠りについた。ガーネットとしては受け入れざるを得ないけれど、自分をごまかすことはできないってわけなんだ」
「だけどそれなら、その人たちはどうしてベッドに戻ったの?」
「バックファイアだとしか思わなかったんだよ。銃撃だったらいいな、というのはささやかな願いにすぎない。物語を楽しんでたんだ。どう思う?」
「嘘ではないと思うけど」わたしは慎重に答えた。
「充分に論理的で可能性のあることに思えるな。嘘ではありえない」
「その人たちが殺したんでなければね」
「おいおい待ってくれよ」
「何?」
「きみは何でもかんでも思いつくけどね。彼らが殺したとは思わないな。動機は何だい? それに管理人が言ってた時間とぴったり符合するだろう。研究所のアシスタントの話とも一致してる」
「誰?」
「ヒュー・ミラーって名前だ。知ってるだろう?」
「ええ。あの……管理人はどんな人なの?」
「問題ないよ」彼はメモを見ながら答えた。「ピーター・フィン、六十二」
「ねえどうして必ずそうするの?」
「何がだい?」
「新聞だと名前のあとに年齢を書くでしょ?」
「わかりやすくするためだよ、いいかい?」
「ええ、まあ。わたしはてっきり……」
「あーあーあー。ピーター・フィンの証言のなかに、気づかれたくないことでもあったのを思い出したのかい?」
「何よそれ?」
「忘れてくれ。いいかい。ウィンベリーが一時〇八分ごろに帰宅したのを聞く。鍵を使用」いったん言葉を切ってからまた話を続けた。「挨拶。『ウィンベリーさん、ボイラーのポンプにゃ修理が要るよ』。W、独特の音を立てる。『うなるっちゅうんですか、よくやっとりました』。一時十五分ごろ、二人目登場、鍵を使用。うん。銃声を聞く。二分後に上へ。表のドアを見る。長身の男を目撃……ええと……車道の方に逃げていった。オフィスに入る。ドアは開いていた。ウィンベリーが床に。撃たれたのは胸。『見いへん』と言い遺す。死亡。一時二二分ごろ、ヒュー・ミラーが証言、ベルを鳴らす。ふう」また一息ついたところで、わたしは手を開いた。いつの間にか掌に爪が食い込んでいたのだ。「ミラー、警官を呼ぶ」彼はメモをポケットに押し込んで息を吐いた。
「警察は知ってるの、――」
「ガーネットもそろそろたどり着いてるよ」
心臓が跳びはね大きく脈打った。「その人は?」
「担当の刑事だよ」
「その人と話さなくてもすむわよね?」頭が真っ白になる。
「そうだといいけど。いいかい、ベッシー――ギボン、さん――きみの顔は、そのう、とてもきれいだし、ぼくはそういう白い肌や目が好きなんだけど、隠しておきたいことがあるのなら、サングラスをかけて、口にも風邪引き用のマスクをつけることを勧めるね。それだけ繊細な口は――」
「あのね。ボツ」
「わかったよ。ああそうだ。鍵のことで何か知ってるだろう」
「えっ!」
「なるほど。てことは、ピーター・フィンが報告できたのにしなかったことについても知ってるね」
「なんで!」わたしは両手で口を覆った。
「それに」容赦なく話は続いた。「長身の男が昨夜ここから現場までタクシーを拾ったかもしれないことを知っているせいで、実際にそうした可能性も疑っている」
わたしは目に袖を当てて泣き始めた。
「ちょっと待った待った。ちぇっ、頼むよ。これは役に立つかもしれない。タクシーの乗客は指が曲がっていたんだ」
腕を降ろしてこわごわと彼を見つめた。
「そいつはそうなのかい? それはまずいな」
「出てってよ」わたしは立ちあがった。「これから出かけるの。買い物に行かなくちゃ」
「ガーネットはぼくほど融通が利かない。逃げない方がいいよ」
「でも行かなきゃ。わたしの顔に全部書いてあるって言うんなら……」
「黙るんだ。そいつが好きなのか?」
「どうでもいいでしょ。もう質問しないで」
「それでも言うよ。知っていることをすべて話してくれる気になったなら」そこで決まり悪げになって、「きみがいいと言うまでは秘密を漏らさないと約束してもいい」今度はさっきよりも強気に。「ぼくは出ていかないよ。きみを置いてけぼりにして、ガーネットの攻撃にさらしはしない。だから出かけるのはやめた方がいい。取り乱したまま行かせるつもりもないしね、行くときはぼくも一緒だ」」
「そんなこと何とも思っちゃいないくせに。だいたいわたし、あなたのこと知りもしない」
「そのうちわかるよ。それよりもさ、伯父さんのところにまっすぐ行かせてくれるなら――おいおい。すると伯父さんなのか」
「それもわたしの顔に書いてあるの?」
「その鼻と同じくらい、いや遙かにでかでかとね。きみの鼻はキュートだけど控えめだし、そんなにでかくはないものな」
「わたしの鼻はどうでもいいでしょ! ねえジョーンズさん、どうすればいいの?」
Charlotte Armstrong『Lay On, Mac Duff!』CHAPTER 5 の全訳です。
Ver.1 07/05/21
Ver.2 07/07/07
[訳者あとがき]
時刻の表記を統一しなけりゃ。例えば 12:08 とかを漢数字で表記すれば一二時〇八分または十二時八分のどちらかなんだろうけど、好みで十二時〇八分にした(い)。じゃあ 10:22 はどうするかというと、一〇時二二分かなあ。10:12 は一〇時十二分? やはり統一感がないか。全章訳し終わったら統一します。結局、十二時〇八分、十時一〇分、十時二二分という表記にした。まったく統一感はないけれど、個人的にはこれが一番しっくりくるので。